#6 なだめたり、すかしたり、脅したり・・・


さて、会社からの返信が届いたようです。


┌────────────────────────────────┐
 title:Jさんより

 岩沢さん


 おはようございます。
 昨夜遅くに以下のようなメールが送信されてきました。

 アドバイスいただけたら幸いです。


 A


 「Aさん

  先日頂いたメールの件ですが、


  >「円満退職します」といったお話も申し上げておりませんし、会社
   からもされておりません。


  私はAさんが今までの金額を保証してくれるなら、8月末で辞めると
  はっきりおっしゃったのを覚えていますよ。


  また、会社はAさんをマネージャーとして、つまり管理監督者として
  雇用する旨は入社当初から伝えていましたし、Aさん自身もそのような
  認識で働いていましたよね?

  ですから、時間外手当等の支給対象にはなりません。


  会社としても、8月中は特別休暇扱いをしたり、失業給付がすぐに受給
  できるよう退職理由を“退職勧奨”にしたり、Aさんが転職しやすい
  ようにかなりの優遇措置を取っています。


  それで納得していただけませんか?


  J                               」


└────────────────────────────────┘


会社としてはこれで十分誠意を見せてあげているじゃないか?

社長にもこれだけ譲ってもらったんだから、これで納得したらどうなんだ?

とでも言いたい訳ですね。



Aさんが管理監督者であるということは堅持し、残業代を支払わなければ
ならないということは、絶対に阻止したいと。

そんなもので済むわけないだろうが。



と思っていたら、すぐに続けて先日のメールからの回答も届いたようです。


┌────────────────────────────────┐
 title:回答

 岩沢さん

 アドバイスいただきました通りにメールを送りましたところ、先程会社から
 返事が届きました。

 以下のとおりです。


 「Aさん

  労働条件通知書をご自宅にお送りしましたので、ご確認ください。

  また、時間外勤務手当等そちらの要求につきまして、内容を拝見
  しないと判断ができません。

  まずは、具体的な要求をお知らせください。


  J                             」


 この後、通知が届いてからの手順は、先日のExcelファイルを元に請求を
 立てたら良いですか?


 休日を何処に持ってくるかという点は、平日の一番労働時間が短いところ
 での請求でよいかとも思うのですが、本来休みの予定だったところに出勤
 した箇所をもう一度探してみます。


 A
└────────────────────────────────┘


想像していたより真っ当な回答が届いたようです。


出すかどうかはわからないが、まずはいくら欲しいというのか金額を言ってみろということですね。

では、一歩ずつ交渉してみますか。


┌────────────────────────────────┐
 title:Re:回答

 Aさん


 先方は予想したよりもきちんと対応してきましたね。
 おそらく誰かが助言しているのでしょう。


 まずは休日出勤に該当する日を特定してください。
 それをもとに金額を算出してみましょう。


 送ったという労働条件通知書も見てみたいですしね。


 HMパートナーズ 岩沢
└────────────────────────────────┘


これからずっとひんぱんにメールのやり取りが続きます。

まずは、次のメールがAさんより届きました。


┌────────────────────────────────┐
 title:労働条件通知書

 岩沢さん


 会社から労働条件通知書が届きました。


 日付がなく、基本給35万円に(管理職手当含む)と記載があります。

 入社前には、シンプルにただ35万円とだけ言われています。

 何かを含むという話は聞いていません。


 どのようにしたらいいでしょうか?

 送り返して、「管理職手当含む」の文言を削除したものをもらい直した方が
 よいでしょうか?


 A
└────────────────────────────────┘


この日外出しがちで返信ができなかったのですが、続いて次のメールがAさん
から届きました。


┌────────────────────────────────┐
 title:先方からのメール

 岩沢さん


 通知書の内容相違についてメールをお送りしましたところ、以下の返事が
 参りました。


 入社時から契約書の発行を希望して参りましたので、労働条件通知書では
 なく契約書を取り交したいと申しましたら、このままでは8月分を無給にする
 と言ってきました。


 私もちゃんと通知内容に同意しているということで、企業としても契約書の
 方がベターな気がするのですが、何かまずかったのでしょうか。。


 以下、Jさんからのメールです。


 「Aさん

  では、管理職手当の記載はなくします。


  法律上、雇用契約書を交わすことは義務づけられておらず、こちらの労働
  条件通知書のような書面を交付すればよいはずです。

  Aさんはなぜそれほど雇用契約書にこだわるのですか?

  これまで会社としても様々な提案をしてきたわけですが、Aさんは全て
  拒否しています。


  こちらが譲歩した条件を飲むばかりでは不公平ですから、8月の特別休暇
  に対して、給料を支払うわけにはいかなくなってしまいますよ。


  今件、話し合いが長引いてても、お互いにいいことは何もないと思い
  ますが。


  J                               」

└────────────────────────────────┘


「会社がここまで譲歩してあげたんだ。それなのにまだ文句を言うなら、
 休暇中の給料を無給とするぞ」と脅してきたようですね。


ほお、そんなこと言っていいのかな?

今件、こちらの負けはないですから。

どこを落とし所にするかが問題なのであって。





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#5 会社からの申し出!

さて、Aさんとは会社に対抗するための資料を作成する手はずを打ち合わせしたところでしたが、こちらから何らかのアクションを取る前に、すぐにまたJ取締役から連絡が来たようです。

どのような申し出なのでしょうか。


┌────────────────────────────────┐
 title:至急のご相談


 岩沢さん


 お世話になります。


 目下、ご教示いただいた資料を作成している最中です。


 できるだけ早くお渡しできるように考えていますが、今しばらくお待ち
 ください。


 ところで、Jさんより次のようなメールが届きました。



 「A様


  これまでお話ししてきましたように、このままAさんが勤め続ける
  ことは困難だと思います。

  先日「35万円の給料を8月まで支払ってくれるのであれば、8月末日で
  退職します。」と仰っていましたので、そちらは了承します


  8月に入ったら出勤しなくても結構です。


  特別休暇扱いとして、出勤しなくても満額給料を支払いますので、
  その間は転職活動にあててください。


  なお、失業給付をすぐに受給できるよう、離職票の退職理由は“退職
  勧奨”にさせていただきます。


  このような条件で、円満に退職していただけませんか?


  J                              」



 こちらには、内容のすり替えがあります。


 > 先日「35万円の給料を8月まで支払ってくれるのであれば、8月末日で
 > 退職します。」とおっしゃっていましたので、そちらは了承します。


 というのは間違いで、「25万で納得できないのであれば社長としてはもう
 辞めてもらって構わないってことなんです。」と口頭でいきなり伝えられ
 たので、例えば8月からの減給にしても1ヶ月の猶予もなく減給なのか?と
 いう意味でそのようなことはあるのかと聞いただけにすぎません。


 どのように対応すればよろしいでしょうか?


 お忙しいのに申し訳ありません。
 ご回答のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


 A
└────────────────────────────────┘


いきなり給料を10万円下げるような無茶なことはしないようにと、顧問弁護士かどこかから釘をさされたのでしょう。


「給料の減額は、しないであげます」

雇用保険に加入して会社都合で離職票を書いてあげます」

「8月中はもう出勤しなくていいですよ、給料も全額払います」

「その代り、すっきり8月末で辞めろ」


と、言ってきていますね。



当初よりはまともな言い分になってきたけど、ずいぶん都合の良いことを言ってるじゃないか。

Aさんにもこのまま勤め続ける理由はないので、辞めるにあたっていかに良い条件を引き出すかが焦点になってきますね。


そこで以下のようなアドバイスをしました。


┌────────────────────────────────┐
 title:Re:至急のご相談


 Aさん


 先方への回答としては、


 ・8月末までの分の基本給を、従前と同様35万円とする。
 ・8月末日で退職する。
 ・4月1日付で遡って雇用保険に加入し、離職票における離職の理由は
  「退職勧奨」とする。
 ・8月中は「特別休暇」の取得ということで出社に及ばず、その間の給料は
  満額支給を受ける。


 この4つについては了承しました。


 なお、私は労働基準法における管理監督者には該当しません


 時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日勤務手当を支払っていただいていま
 せんので、入社時まで遡って支払ってください。


 としては、いかがでしょうか?


 ※労働時間の集計は進んでいますか?


 HMパートナーズ 岩沢
└────────────────────────────────┘


Aさんからも次のような返信がありました。


┌────────────────────────────────┐
 title:労働時間の集計


 岩沢さん

 回答の文案、ありがとうございました。

 労働時間の集計ができましたので、添付ファイルにてお送りします。


 A
└────────────────────────────────┘


お、できたようですね。

ざっと見ると、休みが少ないという話を聞いていたのに、それが反映されていないようです。

休日出勤の分も集計するように伝えます。



おそらく会社は、こういう反撃をくらうとは思っていないでしょう。

相当慌てるだろうな。





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#4 会社は強引に辞めさせにかかった!

Aさんにお会いして、基本的な考え方を整理して説明したので、あとは会社の出方を待ちながら、少しずつ準備を進めていけばよいかと考えていました。

ところが、その2日後。

Aさんから、ビックリするような内容のメールが届きました・・・


┌────────────────────────────────┐

 title:ご報告

 岩沢さん

 先日はお忙しい中、ありがとうございました。

 知らないことが沢山わかり、ひとまずほっとしました。


 しかし昨日、Jさんより入社日の日付となっている雇入れ通知書を見せられ、
 あ然としました。給料は諸手当込みで25万円と記されています!!


 そしてJさんは、「社長がAさんに対してもう×印をつけていますからね。
 このまま続けるのは辛いと思いますよ。」と明言しました。
 
 アルバイトスタッフを部長と結託して辞めさせたということを説明しました
 ので、それが濡れ衣だということを理解しても、「社長のAさんに対する
 イメージは変わりませんよ。このまま勤め続けるのは相当大変じゃない
 ですか?」と言われました。


 まずは、面接時には諸手当含まず基本給35万円と代表が答えてくれたという
 事を伝え、わたしに約束した正しいものを出し直してもらうよう、メールで
 伝えています。


 正直、これで要求が通じなかったら、代理人を立ててでも取れるだけ取り
 たいと思っています。


 また、ご連絡させていただいてよろしいでしょうか?

 どうぞ、よろしくお願い申しあげます。


 A
└────────────────────────────────┘


会社は無理やり辞めさせにかかりました!!

こうなったら、覚悟を決めて取り組まないと。


┌────────────────────────────────┐

 title:Re:ご報告

 Aさん、こんばんは。

 そうきましたか。
 では、徹底抗戦ですね。

 まずは以下、取り組んでください。


 ・時系列で今まであったことを紙にまとめる
 私が添削しますので、できたらメールで送ってください。

 おそらく35万円での契約書は出てこないでしょう。
 それがはっきりしたら、労働基準監督署に相談しましょう。

 お昼に電話くらいできますよね?

 まとめた紙を労基署にファックスかメールで送れば、職場を離れずとも
 電話でかなりの話ができると思います。


 ・労働時間を集計する
 日付 出勤時刻 退勤時刻 総労働時間 残業時間 うち深夜時間のような
 感じでエクセルでまとめるといいです。

 これも私にメールで送ってください。

 何かあったら、またご連絡ください。


 HMパートナーズ 岩沢

└────────────────────────────────┘


まずは、基礎資料がためです。

最初に事実関係を明確にしておくことが、後後大事になってきます。

さて、資料がそろったら、どうしてくれようか・・・




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#3 Aさんが会社に対抗できること!


(Aさんが私どものオフィスにお見えになりました。)


岩沢:Aさん、こんばんは。今回は色々と大変でしたね。



Aさん:お時間をいただいて、すみません。



岩沢:今日は、Aさんが置かれている現状を、法律的にみてどのように解釈できるのかということを、ご説明したいと思います。



Aさん:はい、よろしくお願いします。



岩沢:まずは、給料が切り下げられるということ。これは「不利益変更」と言います。

Aさんが入社するときに、「このような条件で働いてください。その対価として月給を35万円お支払いします。」というのが会社と労働者であるAさんとの約束です。

この約束を反故にして月給を25万円にするというのですから、それは約束違反ですよね?

これには、それだけのことをするのが当然だという「合理的な理由」がなければ、できません。

人件費の削減をしないと会社がつぶれるとか、明らかに能力不足で元々見込んでいた仕事が全くできないとか。



Aさん:そうなんですね。



岩沢:今回は、マネージャーからオペレーターへ降格が理由だと、会社側は言っているんですよね?



Aさん:そうです。



岩沢:その場合も、その降格自体が妥当なのかということが問われます。
今まで話を聞いている限り、Aさんが降格されるほどの理由は見当たりません。



Aさん:はい、会社の言い分はヒドいと思います。



岩沢:なので、この減給は不当だと、十分に主張できるのではないかと思います。

ところでAさん、入社当初、会社から「雇用契約書」等の労働条件について明記した書面はもらいましたか?



Aさん:いいえ、それが口頭でお話いただいただけで、特に契約書はもらってないんです。



岩沢:労働基準法の定めにより、入社前に重要な労働条件については、書面により明示することが義務付けられています。(労働基準法第15条)

必ずしも、お互い署名捺印して一部ずつ保管するという、契約書の体裁を取らなくても、「労働条件通知書」のように会社側から一方的に交付するだけでもいいんですけどね。

では、まずその契約書等の書面を会社側に請求してください。



Aさん:わかりました。



岩沢:あと大事なことがもう一つあります。

Aさんは残業代を請求できるということです。



Aさん:マネージャーでも請求できるんですか?



岩沢:会社の定めた「役職者」と、法律上時間の規制が及ばないとされる「管理監督者」では、概念が異なるのです。


なぜ管理監督者に時間の規制がないか?
端的に言えば経営者側の人間だからというのが理由です。

経営者サイドに立ち、部下を使って自分の裁量で仕事を回す立場にいるからです。

誰かに管理されて仕事をするわけではありませんので。


そして、管理監督者であるか否かということは、実態を総合的に見て判断されます。

そのポイントとしては、

・組織の長として責任と権限を持ち、部下がいること
・部下に対する人事権を持つこと(採用・解雇・評価など)
・会社の重要な意思決定を行う会議等に出席していること
・相応の報酬をもらっていること

このようなことがあげられます。


例のマクドナルドの「名ばかり管理職」問題が有名ですよね。

これらを考え合わせると、普通の中小企業では、法律上のことを厳密に問うと、管理監督者として認められる人なんてほとんどいなくなってしまうというのが現状です。



Aさん:そう聞くと、わたしも管理監督者には当てはまらないですね。



岩沢:はい。実態として、会社の命令でかなりの長時間拘束されても、給料の金額が全然変わらないというのであれば、それは不当ですよね。

責任と権限が与えられていて、それに見合った給料を支払われているのなら別ですが。

それと会社と争った場合、損害賠償や慰謝料のようなものよりも、残業代というのが一番認められやすいのですよ。

Aさんは聞いた感じとても拘束時間が長そうですからね。

かなりの金額を請求できるのではないかと。



Aさん:そうですね。働いている時間は相当長いです。



岩沢:では、労働時間がわかるような資料を集めておいてください。

きちんとした出勤簿やタイムカードがあれば一番いいのですが、不明な日はメールの記録など、実際に働いていることが証明されるのであれば、その時間でも大丈夫です。



Aさん:わかりました。ちょっと調べてみます。

                                                                                                                    • -


この日はこのような話をして、終わりました。

基本的なことを押さえておいて、あとは相手の出方次第ということで。

このときはまだ、きちんと筋を通して話をすれば聞く向きもあるのではないかと、ちょっとは期待していました。

ところが、すぐにそれが間違いであることに気づかされることに。



そして2日後・・・

Aさんから、ビックリするような内容のメールが届きました・・・




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#2 一刻も早くお話しをうかがわなければ・・・

Aさんの会社は、典型的なワンマン社長とその番頭という体制で、社長が強権をもって仕切っているということなのでしょう。

人間関係でそりが合わないと、かなりつらそうですね。

突っ込みどころは色々ありそうですが、着地点として本人がどうしたいのかを確認しないと進めようがありません。

以下のような返事を返しました。


┌────────────────────────────────┐
 title:Re:給料引き下げの件

 Aさん

 というと、減給の理由は、マネージャーからオペレーターへの降格に伴い
 職務内容が変わったということですか?

 Aさんはどうしたいですか?

 給料を下げられずに今の仕事を続けたいですか?              

 会社は辞めるにしても、一矢報いたいですか?

 きれいさっぱり早く辞めたいですか?


 HMパートナーズ 岩沢
└────────────────────────────────┘


この日ちょっとバタバタしていたので、このメールを深夜3時すぎに送り、帰宅しました。

翌日出勤してメールをチェックしたところ・・・びっくりです!!

そのあとすぐ、4時頃にAさんから返信が入っていました。


┌────────────────────────────────┐
 title:Re:給料引き下げの件

 岩沢さん

 お忙しくお疲れのところ、本当にありがとうございます。

 > というと、減給の理由は、マネージャーからオペレーターへの降格に伴い
 > 職務内容が変わったいうことでしょうか?

 はい。その通りです。

 降格に伴い、今までの拘束11時間半ではなく9時間(1時間休憩)で良いか?
 と尋ねたところ、社長は良いと言いましたが、Jさんは「まわりが残業代
 なしにがんばっているのだから割り切って考えてもらっては困る。」との
 返事でした。


 > Aさんはどうしたいですか?
 >
 > 1.給料を下げられずに今の仕事を続けたいですか?

 いいえ。


 > 2.会社は辞めるにしても、一矢報いたいですか?

 > 3.きれいさっぱり早く辞めたいですか?

 新しい就職先を決めて、3.というのが理想です。

 しかし、あまりに不当なので2.の気持ちもあり、迷います・・・


 A
└────────────────────────────────┘


かなり追いつめられているのでしょう。

精神的に疲れていて眠ることができないのか、それとも私からのメールの返信をずっと待っていたのか・・・

まずは早々にお話しを聞かなければと思い、返信しました。


┌────────────────────────────────┐
 title:Re:給料引き下げの件

 Aさん

 寝てないんですか。

 つらいですね。
 あまり根をつめすぎないように。

 自分を大事にしてください。

 週末は休みを取れるのですか?
 気持ちをリセットできるといいですね。


 お聞きしている状況からすれば、一矢報いることは可能だと思います。

 まずは一度お会いして、お話しを直接お聞かせください。


 ・就業規則
 ・給与明細
 ・出勤簿(なければ勤務状況がわかるものならなんでも)

 こういった資料は集めておいた方がいいかもしれません。

 そのうえで、あらためてどうしたいのか、自分の気持ちを整理しておいて
 くださいね。


 来週、ご都合のよい日時がありましたら教えてください。


 HMパートナーズ 岩沢
└────────────────────────────────┘


やがてAさんから返信があり、週が明けて火曜日の夜にうちの事務所でお話しすることになりました・・・




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#1 こんなにがんばっているのにあまりにひどい仕打ち!


ある日の木曜、知人の女性、Aさんから久しぶりに携帯メールが届きました。

仕事のことで相談に乗って欲しいとのこと。
どうやら言いがかりに近い理由で、降格のうえ大幅に給料を下げると言われているようなのです。

(彼女は、有能な方ながら派遣社員の期間が長かったのですが、転職をして正社員になり、そこではマネージャーとして活躍していると聞いていました。)

了解して、PCのメールにて詳しい事情を教えてくれるよう伝えました。

すると、しばらくしてAさんからメールが届きました。


┌───────────────────────────────┐
 title:給料引き下げの件

 岩沢さん


 お手数をおかけして、申し訳ありません。

 今回、いきなり月給を今までの33万円から25万円にダウンすると言われ
 ました。


 派遣社員の定着率が悪いのは私のせいだと、派遣会社から苦情が届いた
 そうで、役職を剥奪の上、減給だと言われました。

 派遣社員については、1名は能力不足かつ会社に対して文句ばかり言って
 いるので、私から退職を促しましたが、他の4〜5名は本人が会社に合わない
 と言って辞めたり、私が止めているにもかかわらずJ取締役が辞めさせたり
 した人たちで、まるで濡れ衣のようなものです。

 他に何か気に食わないことがあって、私を辞めさせたいのでしょう。


 J取締役から派遣切りをさせられ、大きなストレスで精神的にも追い詰め
 られ、体調を崩してしまいました。

 休暇についてですが、6月は2日間しか取得していません。
 でも、不満を言ったことはありません。
 スタッフさんが慕ってくれますので、むしろ喜んで出勤していました。

 
 私の後ろ盾となってくれていたB部長がX社長と仲違いをした後は、様々な
 物品が経費で落ちなくなり、ほとんど私が自腹を切っています。

 ゴミ袋やティッシュ、スタッフさんたち用のお菓子もお茶もです。
 
 残業で遅くなり、タクシーを利用するしかなくても、料金の請求は一切でき
 ません。
 しかし、それに対して不満を漏らしたことはありません。


 今月に入り、システム導入の件で役員と業者との打合せがありましたが、
 役員方々はその内容を理解できず、うちのマネージャー=私と再度ミーティ
 ングするよう業者に言ったそうで、私が出席してきました。

 そしてこのミーティングの報告を私から受けた後に、J取締役は私に減給を
 言い渡しました。ヒドいなぁって思います。

 そして、マネージャー剥奪で、一般オペレーターとしてがんばってね!
 B部長には、口を出すなと言ってばっさりです。


 X社長は、赤字はすべてB部長のせいに押し付けています。
 B部長が可愛がった私も気に入らない。                 

 私が入社前に、この会社のおかしな所に気づいていながらも、転職をくつが
 えせなかった私の弱さが、問題を引き起こしたのだと思います。
 不徳のいたすところです。


 事情はこんなところです。

 今日、給与の大幅な減額はパワハラじゃないのですか?と言ってみました。

 後日回答は来るようです。

 早く辞めたいです。
 

 A
└───────────────────────────────┘


かなり強引な会社なようです。



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#4 テイク・アクション!

Hさんが悪意を持って営業を妨害し、陰で経営者の悪口を言いまわっていることが発覚しました。

さて、どう対処するべきか。


                                              • -

岩沢:それはヒドイ!お気持ち、お察しします!!

こうなったら、解雇に踏み切っていいと思います。

ただし・・・懲戒解雇は認められる可能性が低いので、普通解雇にしましょう。

先日お話ししたリスクについては想定しておいてください。

実際に争いになった場合には、その解雇について客観的に見た妥当性があるのかどうかが問われ、そうなったら必ず必ず勝てるというわけではありませんので。



Nさん:わかりました。



岩沢:その覚悟をもっていただいたうえで、それでもHさんをこのままで捨て置けないということであれば、もう迷うことはありません。

Hさんを解雇しましょう!!



Nさん:はい。もう、そうするより他ありません!!



岩沢:Hさんに通知する日の1ヶ月後の日付で解雇するということで、解雇予告通知書を作成しましょう。

書面の文案をお送りしますので、そちらを基に一緒に文書を完成させましょう。



Nさん:了解しました。

お聞きしたいのですが、Hは労働基準監督署に相談に行くと思います。

どのように対応すればいいのですか?



岩沢:就業規則に記載されている解雇事由に基づき、1ヶ月前に予告した上での解雇であれば、労働基準法の要件は整っていますので、労働基準監督署からは何も言えません。



Nさん:そうなんですね。



岩沢:はい、裁判等で争うことになったときに、その解雇理由が妥当かどうかが問われることになります。



Nさん:了解しました・・・



あとは粛々と準備を進めるだけです。

                                                                          • -


そして後日、NさんはHさんを呼び出し、作成した解雇予告通知書を提示します。



┌───────────────────────────────┐
                                平成○年○月○日

                     解雇予告通知

 H殿

 誠に不本意ではありますが、貴殿を○年○月○日限りで解雇いたしますので、
 その旨通知します。理由は下記の通りです。

                       記

  解雇の理由


  就業規則32条第2号 勤務態度が不良で注意しても改善しないとき

  具体的には、業務遂行上必要な連絡を故意に行わず、会社の業務に支障を
  きたしたこと


  就業規則32条第6号 その他会社の従業員として適格性がないとき

  具体的には、故意に会社の営業活動を妨害し、本来であれば受注できたで
  あろう契約を破談にしたこと、及び会社や経営者に対する誹謗中傷をくり
  返し、名誉や信用を傷つけたこと


                              東京都○○区○○○○
                              株式会社R
                              代表取締役 N

└───────────────────────────────┘


Nさんが内容を読み上げHさんに書面を渡すと、Hさんは顔を真っ赤に歪めて、何か言いたげでありながら何も言葉になりません。

傲慢で、自分の言動に対する認識が甘い彼は、よもやこのようなことが自分に起こるとは想像できていなかったのでしょう。

それっきり、この場の話は終了し、HさんはR社の職場を去りました。



自分の非をさとったのか、そこまでの気力もなかったのか。

Hさんは、労働基準監督署に相談することもなく、その他の手段により会社に文句を言ってくることもありませんでした・・・




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